朝日新聞は謝るな~原発「吉田調書報道」に見るジャーナリズムの危機
■第86回草の実アカデミー
「朝日新聞は謝るな~原発「吉田調書報道」とジャーナリズムの危機
講師 岡本達思氏(原発「吉田調書」報道を考える読者の会 共同代表)
日時:7月16日(土)13:30開場14:00開始 16:45終了
場所:雑司が谷地域文化創造館第3会議室
東京都豊島区雑司が谷3丁目1−7
http://www.toshima-mirai.jp/center/e_zoshigaya/
交通:JR山手線「目白駅10分」、東京メトロ副都心線「雑司ヶ谷駅」の上
資料代:500円
主催:草の実アカデミー(公益社団法人マスコミ世論研究所)
最近、大声で騒がれたりすると、すぐに謝ってしまうメディアは少なくない。前回の草の実アカデミーでも取り上げたように、有田芳生参議院議員の圧力に対し簡単にお詫び文を載せてしまった「週刊金曜日」の例もある。
今回のテーマは、原発の吉田調書をめぐる報道に対するバッシングに対して謝罪してしまった朝日新聞の問題を考える。講師は、原発「吉田調書」報道を考える読者の会 共同代表の岡本達思氏。以下、岡本氏から寄せられた文書である。
【誤報じゃないのになぜ取り消したのか?―原発「吉田調書」報道をめぐる朝日新聞の矛盾 私たちが朝日新聞に公開質問状を叩き付けた理由(わけ)】
2014年5月20日の朝日新聞が伝えた原発「吉田調書」報道は、それまで東電や政府が決して公表しなかった情報を白日の元にさらし、今後の原発再稼働に一石を投じる重要な報道であった。
しかし、その報道は、一部ジャーナリストの誤報という指摘をキッカケに、週刊誌や新聞など大手メディアのほとんどが誤報キャンペーンを繰りひろげ、朝日新聞社バッシングに便乗し始めたのである。
そして、朝日新聞社までもが、それに抗することもせずに、取材を担当した調査報道部の記者に反論の余地も与えないままに、お詫びの記者会見を開き、原発「吉田調書」報道を全面取り消すことを発表し、全面謝罪記事を掲載した。
こうした朝日新聞社による原発「吉田調書」報道を取り消した行為は、市民の知る権利の剥奪にもつながるジャーナリズムの危機であると感じた私たちは、<原発「吉田調書」報道を考える読者の会>を発足させ、原発「吉田調書」報道の検証とともにこの間の朝日新聞社の行動を徹底調査し、翌2015年4月13日に朝日新聞社経営陣に公開質問状を送りつけた。
さらに、朝日新聞社内の第三者委員会として設置された<報道と人権委員会>や、朝日新聞社報道に関して社外の声を反映させる仕組みとして設置された<パブリック・エディター>にも、同様な質問状を送付した。しかし、朝日新聞社はまるで箝口令を敷いたかのように一切の質問に真摯に答えようとせず、今日に至っている。
本来なら、ジャーナリズムがこぞってこの問題に対し、その報道内容および経緯をしっかり検証する中で、自由に論議を交わし合い、ジャーナリストの役割を再確認し合うべきなのに、メディアはそれをせずに、ただただ時の政府権力の回し者に成り下がっている。
私たちは、今後も引き続き本テーマを通して、権力の監視役としてのジャーナリズムの機能の復権をめざすために、活動を続けていきたいと考えている。
【岡本達思氏プロフィール】
・1950年東京都板橋区生まれ。1969年に獣医師を目指し日本大学農獣医学部獣医学科入学するが、日大闘争はもとより70年安保や三里塚等、政治活動に傾倒し、逮捕・起訴となり、拘留・裁判・有罪確定を理由に退学処分を受ける。
・ 1971年に、日本初のプロ写真家専用ラボの「株式会社光芸社」に入社し、ルートセールスと暗室見習いとして働く傍ら、日本エディタースクール夜間部で学ぶ。1972年にはユージン・スミスの写真展「ミナマタ」のパネルプリント制作スタッフに加わる。
・1973年にマリンスポーツ専門誌「Boat & Yacht」の編集部に入り、フォトグラファーとして国内外で開催するヨットやボート、ダイビング、サーフィン、カヌーイング等マリンスポーツ・イベントの撮影をする・・・・。
※つづきのプロフィールは、7月16日講演会当日に資料としてお渡しします。
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