報告「第52回 いま目の前にある危機その2」自民改憲案のひどさ他
参院選前日の2013年7月20日、「いま目の前にある危機その2」と題して、いま日本が抱える問題などを参加者全員が話し合う会を催した。長野からの参加者もあった。自民憲法改悪案のあまりにものおそまつさから始まり、自衛隊、TPP,具体的な候補者への投票行動をどうしたらいいか・・などと話は多方面にわたった。
はじめに会を呼び掛けた私から問題点を投げかけた。改憲というと9条のことが問題になり、これはこれで重大な問題だ。しかし。自民党改憲草案2012年版を読むと、そんな生易しいものではなく、9条改憲以外の部分に戦慄がはしった。
国家権力がのぞめば、人権を制限する。俺達に逆らうな、というトーンで一貫している。いまの憲法は、「公共の福祉」を阻害する可能性のあるばいには一部の人権を制限できることになっている。
それに対し自民案は、「公益、公の秩序」に反すると人権は制限されるとしている。「公益、公の秩序」が何度も条文に飛び出す。
・神奈川のHさん
「何が公益、公の秩序なのかわからない。あまりにも広すぎるからだ。自民党の改憲案を読むと、平時のものとは思われない。緊急事態のもの」
・東京のYさん
「反自民を言うときに、TPPとか脱原発だと難しい面がある。自民改憲草案はひどいもので、これによって人権が奪われてしまうと訴えたい。憲法問題で訴えたほうがいいのではないか。
右も左も関係なく、この草案だ人間にとって大切な人権がほとんどの人から奪われる、と訴えたほうがいいと思う。
だから、改憲勢力の自民・維新・みんな、に反対するように呼びかけたほうが効率的だ」
私が旋律を覚えたのは、21条「集会、結社、及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する」に自民改憲草案は、項目を追加している。
『前項の規定にかかわらず、公益及び公の秩序を害することを目的とした活動を行い、並びにそれを目的として結社をすることは、認められない』
これ言論弾圧で日本ファシズムの象徴的な法律「治安維持法」にそっくり、「国体の変革」「私有財産制度を否認」することを目的とする結社の組織・加入・扇動・財政援助を罰すると規定されている。
こんなものを目指す自民党は、とてもまともとは思えない。このようなことを言った。
・埼玉のOさん
「いま林さんが言った21条の問題も、知らなかった。多くの人は知らないと思う」
まったくその通りで、自民党改憲案2012年版の恐るべき事実を一人でも多くの人に伝えるのが急務ではないかと私は言った。
それに36条「・・・拷問及び残虐な刑罰は絶対にこれえを禁ずる」から「絶対に」の文字を削除。ということは拷問もあり得るというに等しいと私は思うし、憲法や法律は解釈や運用は権力者が決める。
緊急事態に関する自民98条、99条は、「社会秩序の混乱」などに非常事態を宣言して、「内閣は法律と同一の効力を有する政令を制定することができるほか・・」つまり国会を無視して政府が勝手に政令(法律と同一効力)を発することが可能。
これ、ナチの全権委任法ではないか。
そして102条。国民に憲法を守る義務をおしつけている。クーデターのようなでたらめな憲法を国民に守れと命令している。
そして究極は、現行憲法でさだめる人権保障を丸ごと削除
≪第九十七条 この憲法が日本国民に保障する基本的人権は、人類の多年にわたる自由獲得の努力の成果であって、これらの権利は、過去幾多の試練に堪へ、現在及び将来の国民に対し、侵すことのできない永久の権利として信託されたものである≫
これを自民党は削除したいというわけだ。
それから、現行憲法は第十一章で「最高法規」と規定されているが、自民案は削除。最高法規が憲法でないとしているのだかrあ、それり上のものがあることになる。それって何?
■石破茂発言は、自爆テロなのか
この憲法案で、自衛軍をつくり軍事裁判所を設置することも盛り込まれているが、これに関して石破茂氏がテレビでの発言がいまネットでものすごく話題になっている。
出動命令に従わなかったら死刑、懲役300年などと言いたい放題だ。極端に右傾化した日本でも、この発言には警戒感を持つ人が多いだろう。あえてそんなことを言ったのは、自爆テロなのか。
ありは、このまま進むと危ないよ、と世間に対して警告をはっしていなのではないか。こんな意見も会場から出された。
たしかに、安倍路線への警告ともとれなくない。どっちにせよ、あの発言を聞いて、もろ手を挙げて賛成の人より、警戒感をもつ人のほうがまだ多いだろう。
■東京選挙区はどうしたらいいか
明日は投票日なので、東京の選挙区では誰にいれたらいいかという話になった。選挙情勢では自民二人は安全圏、公明党一人は堅い。あとの二議席をどうするかが問題。
私は「共産の吉良よし子候補は、当選する可能性が高い。だからここは山本太郎候補がいいのではないか」と私は自分の意見を述べた。とうかこの瞬間まで私自身、迷っており、このときに山本候補へ一票入れることを私自身が決めた。
ところで、他の東京都民の参加者に意見を聞くのを、うっかりして忘れた。
それから埼玉から来た方が、「反自民の一票をいれたいが、だれに投票していいかわからない」と言っていた。その方は、選挙公報をもってきていたので、ほかの参加らとともにいろいろ話した。
埼玉からの参加者は「みんなの党がいいことを言っているような気がする」というので、その場に居合わせた全員が、いいやそれは・・と否定的な見解。神奈川のHさんはわかりやすく「公約に書いてあることはすごくいいこと。たぶんこのとおりにやろうとするだろう。しかし、その良さを得られるのは金のあるひとだけ」。
非常にわかりやすい。結局、埼玉の場合だったら共産党候補がいいのでは、と私は伝えた。
■TPPその他の問題も
憲法から入っていろいろな問題に話題が移ったが
もちろんTPPその他の話にもなった。また自衛隊に関する本を出版したばかりのジャーナリストで草の実アカデミー講師の三宅勝久さんも来場し、最近の自衛隊についても話があった。
機会があれば、報告する。
とにかく明日は選挙、少しでも改憲勢力(自民・維新・みんな)プラス与党の公明の力を減らし、労働者の生活を向上させ、消費増税を抑え、TPPに反対し、原発を廃止できるよう、一歩でも進められればいい。
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