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2010年7月18日 (日)

寺島実郎が有権者の権利剥奪キャンペーン

 日本総研会長をつとめる寺島実郎氏は、国会議員の定数削減という、とんでもない暴論を主張し続けている。本日(2010年7月18日)放映のTBSサンデーモーニングでも、定数削減に言及した。同番組では毎回のように定数削減=人民の権利剥奪・特権階級による政治・少数政党排除、を主張しているのは、極めて悪質だと思う。

 寺島実郎氏といえば、今や言論界の重鎮のような感がある。テレビを見ていても落ち着いた態度とその口ぶり、冷静に見える説明の仕方などから、「安心して見られるコメンテーター」の部類に入るだろう。

 実際、発言内容にうなずける面も少なくない。

 だが、私が彼を信用できないのは、徹底した”上から目線”の人物だからだ。定数削減もそれに近いと私は思う。

 議員を少なくするとはどういうことか。まず有権者の権利を奪う。とりわけ有権者の選択の幅を狭める。たとえば480議席を400議席に減らせば、有権者から意思をたくされた人間が80人減ることになる。これだけでも、主権者の権利侵害だ。

 さらに、国会議員の数が少なくなればなるほど大政党・大組織・有名人だけで議席を占められるようになる。極端な話、議員が千人いれば、自分たちの考えを実現してくれそうな代表を国会に送りこめられるかもしれないが、百人だったら、その可能性は極めて低くなる。

 社民党・国民新党・共産党その他の小政党の議員が排除される。もちろん現在の選挙制度を継続する前提だが・・。

 そして二大政党制が進み、自民・民主という似たような思想や階層に支えられた政党によるソフトな独裁体制が完成する。なぜなら、それ以外の思想や政治勢力は一切義会内で活動できなくなるからだ。

 しかも政治家が少なくなれば、高級官僚に支配される体制が強化されるだろう。有権者に選ばれた議員を増やし、各官庁に大臣・副大臣・政務官に加えて多くの国会議員を入れることのほうが重要だ。いまでさえ、立法作業に忙しくまともに対応できないのが議員の実態である。これ以上数を減らしたら、官僚の思うがままではないか。

 カネがかかるというなら、歳費削減・国会議員給料削減も考えられる。しかしそれよりも、共産党以外の各政党に血税を振り分ける政党助成金を全廃すれば、定数削減よりはるかに効果がある。

 とにかく、この寺島事郎と言う人は、エスターブリッシュメントの利益しか考えていない。エスターブリッシュエントによる国家運営のことばかりで、私が属するプレカリアート階級や、その他の庶民のことなど歯牙にもかけない。

 今年5月23日に「第二言論サミット~メディアに政権交代を 世界は周辺から変わる」を開催したのは、こういうテレビコメンテーターのことが頭の隅にあったからである。

 第一言論(大新聞とテレビ局)という組織と組織内ジャーナリストの問題もさることながら、第一言論に巣食う人(作家・ジャーナリスト・教授・アナリスト・評論家など)もまた問題である。

 国会では、金持階級を代弁する政党が圧倒的な議席を占め、メディア界においても金持階級(中産階級まで含む)を代弁する人たちが情報や意見を発信する。貧乏人の意見を反映する場所がますますなくなっているのだ。主権者の権利をはく奪する定数削減で、いっそうこの傾向が強まる。

 これで世の中が変わるわけがない。まずは、国会議員定数削減に反対し、小選挙区制度に反対して自由選挙実現を勝ち取らなければならない。そして、プレカリアートをはじめ、庶民の代弁者を義会に送る必要がある。

(林克明)

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